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製造業・素形材産業の業界分析と、「株オンライン」の推奨銘柄を紹介します。 株オンラインは、2020年の乱高下相場で評判になった新鋭の投資顧問サービスの一つです。 DX(デジタル化)時代の各種情報プラットフォームを活用し、日本株取引の初心者や小口投資家らに対するサポートを行っています。 代表の有宗良治氏は投資業界では知る人ぞ知る人物。大和証券時代にはトップ証券マンとして名を馳せるなど、輝かしい戦歴を持っています。 本稿では、まず素形材産業に関する当サイトの現状分析と展望を述べます。その後、上場している素形材関連株について、株オンラインの過去の推奨銘柄の事例をピックアップします。


■ 素形材業界の展望と課題

素形材産業とは

金属に形を与える産業を「素形材(そけいざい)産業」といいます。「鋳造(ちゅうぞう)」「鍛造(たんぞう)」「金属プレス」「熱処理加工」「金型」「木型製造」などがあります。

日本全体で8.6兆円の産業になっています。40万人を超える雇用を支えています。まさにものづくりの基盤産業です。

日本のものづくりの基盤

日本の素形材メーカーは、次々と来る仕事をしっかり納めきる生産管理力を持っています。また、新しいものを開発できる技術力を持っています。しかし、取引上はどうしても相対的に弱い立場で、収益構造としては厳しい。構造的な変化にも直面しています。

職人技術

素形材業界では長年、高度な仕事をする際には職人技術が重要だとされてきました。かつては経営者より高い給料を取る技能者もいました。

第1次オイルショック以降の1974、75年ごろの不況期に、大手メーカーが下請けに単価の削減を徹底的に求めるようになりました。その結果、中小企業の技能者を取り巻く環境が厳しくなりました。

進む海外移転

素形材産業では、ASEAN(東南アジア諸国連合)各国などへの技術移転が進んでいます。かつては「ものづくり」は絶対に海外に行かないという説が有力でした。しかし、さまざまな技術が開発され、ある程度の精度のものは、どこでもできるようになりました。海外生産が加速し、競争が厳しくなっています。「ものづくり立国」を掲げる日本としては存在価値の真価が問われています。

やはり人件費の安さなどでは日本は不利です。違うステージで「ものづくり立国」、日本を復活させるべく、各社は取り組んでいます。各社は高精度、高品質のものに注力しています。

金属の3Dプリンター

さらにものづくりの形を変える力のある金属の3Dプリンターも開発されつつあります。第4次産業革命に入るこれからは「親事業者と下請けの市場取引の適正化」「新しい技術の取り込み」「稼ぐためのビジネスの創出」の3点が重要なポイントになっています。

下請け体質からの脱却

鋳物業界は下請け体質からの脱却が課題になっています。健全な取引慣行が確立され、高い収益性を確保しなければなりません。高い収益性を確保しないと、事業承継が難しくなります。グローバル人材の育成、確保も求められています。

横の連携も課題になっています。例えば鋳物(いもの)は製品にする際、表面処理の技術が必要です。ホーローも表面処理です。塗装も表面処理です。その辺りで連携を取るということが、製品の付加価値や技術力向上につながると見られています。


■ 株オンラインの推奨銘柄の事例

「株オンライン」(投資顧問)の推奨株の評価を紹介します。東証ジャスダック上場の山王など。

山王(2020年9月推奨)

業種 精密加工メーカー
推奨時点の株価
(推奨日の始値)
1,007円
(2020年9月8日)
推奨時点のPER
(前日の終値ベース)
25.30倍
推奨後の高値 1,538円
(2020年11月24日)
推奨後高値のPER
(終値ベース)
18.46倍
株価の上昇倍率 1.5倍
現在の株価 こちら→
市場 ジャスダック
(2007年10月、上場)
設立 1969年
証券コード 3441
ロゴ


山王とは

精密加工メーカー。電子部品の変形や加工を得意とする。本社は横浜市港北区綱島。

プレス加工

電子部品の金型(かながた)を設計し、作成する。さらに、その金型を使って、材料となる金属を加工する。

表面加工

電子部品に金めっき加工を施す。

1958年設立

1958年設立。創業者は故・荒巻芳太郎(あらまき・よしたろう)氏。当初の社名は「有限会社山王鍍金工業所」だった。1969年に株式会社化した。社名を「山王鍍金」に変更した。

コネクターやIC部品など産業用電子部品のメッキで高い技術を培った。1980年(昭和55年)には横浜工場が中小企業庁のモデル工場に指定された。

プレス加工の新工場で躍進

さらに大きな成長のきっかけとなったのが、プレス加工の工場の建設(1988年)だ。

神奈川県秦野(はだの)市の曽屋工業団地内に、特殊コネクター部品のプレス加工のための新工場を完成。操業を始めた。メッキ専業から電子部品メーカーへの脱皮の転換点となった。

山王はそれまで。横浜、伊勢原(神奈川県)、郡山(福島県)にメッキ用の工場を持っていたが、プレス用の工場を持つのは初めてだった。プレス工場の稼働により、コネクターなど電子部品をプレスからメッキまで一貫して手がける体制ができあがった。顧客からの「精密化」「特殊化」「短納期」のニーズにもこたえられるようになった。工場の総工費は8億円だった。

社名をシンプルに

新工場の稼働を機に、1988年4月1日付で社名を「山王鍍金」からシンプルな「山王」に変えた。

世代交代

1991年2月、創業者の荒巻芳太郎社長が会長に就任した。後任に長男の荒巻芳幸(あらまき・よしゆき)常務が昇格した。荒巻社長が72歳と高齢になったため、息子にバトンタッチした。

荒巻芳幸氏は1970年(昭和45年)武蔵工大を卒業し、山王に入社。1974年取締役、1984年常務になっていた。

中期計画と工場の増強

1991年、中期経営計画を策定した。1995年7月期を最終年度とし、野心的な内容を含んでいた。1995年7月期の売上高を当時の58億円(1990年7月期)から2倍強に当たる120億円とする、とした。

この目標を達成させるため、山王は福島県郡山市に郡山第2工場を新設した。1992年、1993年にわたり、郡山工場の隣接地に新工場を建設。生産力をアップした。約20億円を投じた。

続いて本社と横浜工場を全面的に建て替え、生産設備を一新した。新事業開発部を置き、開発の中心にする。生産設備を含めて約30億円を投じた。

さらに、郡山第1工場、鈴川工場(神奈川県伊勢原市)、秦野工場(神奈川県秦野市)、宮古工場(岩手県宮古市)で自動化による生産性向上に取り組んだ。自動化により、生産性を向上させた。

2007年、ジャスダック上場

2007年10月、ジャスダック(JASDAQ)に上場した。この時点で、コネクタ・スイッチなど電子部品の貴金属表面処理加工を主力事業とする優良企業に育っていた。

新規株式公開(IPO)により、資金約9億6000万円を調達した。資金は設備投資と借入金の返済に充てた。

当時、生産拠点は日本国内5カ所、中国とフィリピンに各1カ所だった。日本国内の高付加価値需要を日本国内工場でカバー、海外工場は得意先の海外生産移管に伴う受け皿として機能していた。

社会貢献

1981年(昭和56年度)から実施した神奈川県への図書の寄付が総額1500万円に達した。

図書寄付は、荒巻芳太郎会長(当時社長)の発案。1955年(昭和30年)の創業当時「品質確保の件で神奈川県工業試験所の技術協力・指導を受けたことがあり、これを縁に図書を寄付することにした」のが理由だった。

それ以来10年以上にわたり、毎年100万-250万円の範囲で、工業技術関係の図書を神奈川県に寄付した。

図書の内容は、「プラスチック加工技術」「半導体製造技術集成」「セラミック工学ハンドブック」など幅広く、原則として工業試験所に選定してもらった。